ここで「詫びさび」を感じましょう

 

この日本家屋はどこのお屋敷でしょうか? よく見ると、右奥に米俵がありますね。「わび・さび」と言われる日本の佇まいを感じさせます。現代では、『わび・さび』は一つの言葉のように使われていますが、本来は「わび」と「さび」は別の言葉でした。これらは、どちらも日本特有の美意識といえます。この二つの言葉の意味は、似ている面がありますが、きっちりと「この場合はこちらの言葉」というような区別ができないことも多いのです。したがって、時代によって意味合いが少しずつ変わってきた歴史があります。そのために、現代では「わびさび」が一語で使われるようになりました。

「詫」とは、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形でです。

「さび」とは、老いて枯れたものと、豊かで華麗なものといいます。相反する要素が一つの世界のなかで互いに引き合い、作用しあってその世界を活性化する。そのように活性化されて、動いてやまない心の働きから生ずる、二重構造体の美とされます。本来は良い概念ではなかったのですが、『徒然草』などには古くなった冊子を味わい深いと見る記述があり、この頃には古びた様子に美を見出す意識が生まれていたことが確認されます。写真は、牛久自然観察の森観察舎です。風のない穏やかな日に、観察舎の縁側に座って、物思いにもふけるのもいいのではないでしょうか。

| 18:07 | 投稿者 : ushiku |
枝になりきって越冬するトンボ

 

どんなに寒くてもこの姿で越冬するトンボ「ホソミオツネントンボ」(細身越年蜻蛉)が、観察の森の雑木林で見られます。自分の体と同じほどの細い枝に、枝のふりをしているのでしょうか、じっと寒さに耐えています。トンボはヤゴで越冬しますが、このトンボは細い身でありながら、どんなに寒くても越冬することから「細身越年蜻蛉」と命名されたようです。見つけたら静かに見守ってください。絶対に触らないでください。

| 19:02 | 投稿者 : ushiku |
暖冬で冬眠が遅れた女王バチ

 

牛久自然観察の森の木々は葉をほとんど落とし、明るい林に変身しました。この時期はクヌギやコナラの樹液はほとんど止まっていますが、一本だけ樹液らしき痕跡がありました。半ば乾燥した樹液でしたが、そこにオオスズメバチが食らいついていました。数ある木の中からよく見つけたものです。この蜂は来年女王になるスズメバチで、フラフラになりながら樹液をなめていました。オオスズメバチは秋に生まれた特別の雌蜂だけが越冬できます。そして、来春冬眠から覚めて女王としての活動を始めます。この時期は森の奥の朽ち木に穴を開け、その中で冬眠していたはずです。しかし、暖冬がもたらした想定外の事態で冬眠が遅れたようです。乾いた樹液を舐め、冬眠するための腹ごしらえをしていたようです。厳しい寒波に何とか堪え抜き、一刻も早く冬眠の場所を見つけてほしいものです。

*樹液はボクトウガという蛾の幼虫が樹皮下に入り込み師管と呼ばれる管を傷つけたことによる樹液がにじみ出るのです。蛾はこの時期は死に絶えています。 *樹液の成分は、コナラの場合、果糖、酢酸、ブドウ糖などです。

| 09:32 | 投稿者 : ushiku |
牛久自然観察の森は枯れ葉の絨毯

 

コナラやクヌギは葉を落として雑木林は一年で一番明るい時期になりました。縄文時代より人間と深く関わってきた雑木林は、コナラやクヌギを盟主として二次自然を作りあげてきました。原生林を一次自然とすると、こちらは人間が作り出した自然で、二次自然と呼びます。雑木林は薪炭林としての役割と、落ち葉を使った有機肥料など、人間生活の中では切っても切れない関係にありました。雑木林は20年〜25年周期で皆伐し、切り株からの「蘖」(ひこばえ)で萌芽更新させ、常に若い林を維持してきました。動植物はこの環境に順応し、長い年月を生き延びてきました。しかし、ヤマ(雑木林)を持つ人々の高齢化と役割を終えたヤマの荒廃は全国的規模で進んでいます。牛久自然観察の森の周囲には管理された雑木林が四季を通じて美しい景観を見せてくれます。現在は枯れ葉の絨毯が目を引きます。

| 17:10 | 投稿者 : ushiku |
小春日和の続く今年の冬

 

雑木林がまもなく冬枯れを迎えようとしています。雑木林とは、ブナ科を中心とした平地林で、落葉広葉樹のコナラやクヌギを中心に、ケヤキ、エゴノキ、エノキなどで、大半が落葉します。ただし、コナラはすべてが落葉せず、来春に新葉が展開する時期に落葉を始めます。それでもこの時期は明るい森に変身、落ち葉によってふわふわの絨毯のようです。小さな生き物は冬越しの準備に入っていますが、準備の遅れた虫たちは、森の中をうろうろとするばかり。大きなお腹をしたオオカマキリ、トノサマバッタ、モンシロチョウやヤマトシジミはまだ見られます。今年は暖冬のようですので、気温が下がって、冬越しのサインを感じられないのかも知れません。

| 17:44 | 投稿者 : ushiku |
晩秋の森

 

今年は相次ぐ大きな台風に蹂躙された森。先日の二つの台風によって多くの樹木が倒れました。あれから、半月、落ち着いてきた気象。ただ、塩害の被害はまだまだ続いています。そして、日照不足が記録的になるかもしれません。連日の曇り空、時たまにわか雨が降る「時雨」状態はまだしばらく続きそうです。写真は牛久自然観察の森の緑の保全区です。枯れ葉のふかふかの絨毯を踏みしめて歩くと季節の移ろいを感じます。聞こえてくるのは冬鳥のさえずり。そして、梢を通り過ぎる風の音が秋の深まりを感じました。

| 17:23 | 投稿者 : ushiku |
蟄虫坏戸の季節

 

史上最大級の台風24号が日本列島を縦断しそうです。朝から降ったりやんだりのあいにくのお天気でしたが、昼過ぎには薄日も差しました。秋色濃くなった牛久自然観察の森の園路には小さな流れができていました。周囲からは虫の音が賑やかに聞こえてきます。この時期(9月28日〜10月2日)は二十四節気「秋分」の七十二候(次候)「蟄虫坏戸」(むしかくれてとをふさぐ)です。春から秋にかけて外で活動していた虫たちが、土の中に潜ってその穴を塞ぐこと。自然界では、早くも冬支度が始まっています。この時期にこの園路では、バッタ類の産卵がよく見られます。

| 16:06 | 投稿者 : ushiku |
秋の長雨で静寂に包まれる森


記録的な猛暑の夏も過ぎ、間もなく「秋分」です。今年も秋雨前線が活発になり、連日冷たい雨を降らせています。観察の森も静寂に包まれていました。この時期は気温が上がらず、寒暖差も大きく、決して快適な季節とは言えません。

つい先日まで聞こえたセミの声や、虫の声が全く聞こえません。秋の深まりを感じるこの頃です。秋雨は、9月中旬から10月上旬にかけて降る長雨の事を「秋雨」と言い、古くは、「秋霖」(しゅうりん)とか「芒梅雨」(すすきづゆ)など、風情ある呼び方をされていました。

| 16:42 | 投稿者 : ushiku |
史上最も暑い夏もそろそろ陰り

 

牛久自然観察の森もすっかり秋の粧い、ヒグラシの蝉時雨に暑さも忘れます。秋の七草のオミナエシ、フジバカマ、オバナ(ススキ)も咲きだし、本格的な秋はすぐそこまで来ています。

今朝の新聞に、「東日本 史上最も暑い夏 6〜8月」とありました。東日本の平均気温は平年よりも1.7度高く、気象庁が1946年の統計開始以来最も高くなったようです。更に台風は6〜8月に18個発生し、過去最多となりました。異常気象はまだまだ続きそうです。

| 16:40 | 投稿者 : ushiku |
秋の七草が目立つようになってきた観察の森

 

このところ幾分か涼しさが感じられるようになって来ましたね。日本列島には秋雨前線が停滞し、東北から北の地方では雨の多い一日になりました。今日は二十四節気「立秋」の七十二候(末候)「蒙霧升降(ふかききりまとう)」です。深い森や水辺に白く霧が立ち込める、幻想的な風景を意味します。「白樺を幽かに霧のゆく音か」(水原秋桜子)   

猛暑、真夏日とは言いながら、季節は本格的な秋に向かっています。牛久自然観察の森も、アブラゼミからヒグラシやツクツクボウシにバトンタッチ、秋の七草の尾花(ススキ)の穂が目立ち、フジバカマの蕾を膨らんできました。本格的な秋はすぐそこまで来ています。

| 19:37 | 投稿者 : ushiku |