山笑う季節

 

穏やかな日が続きます。桜前線はゆっくりと北上を続け、昨日は秋田で開花宣言がありました。桜は約1ヶ月かけて日本列島を縦断します。桜が終わると一気に初夏の陽気になっていきます。冬枯れだった里山はコナラやクヌギが芽吹き始め、褐色一色だった雑木林が萌黄色に変わってきました。林床ではカタクリやスミレの仲間が妍を競うように咲き乱れ、冬鳥は北帰行を始めています。代わってツバメの姿を見かけるようになってきました。こんな長閑な春の里山を「山笑う」と表現します。正岡子規は、このような風景を「故郷や どちらを見ても 山笑う」と詠んだ俳句があります。暫く故郷を離れていた子規が久方ぶりに見た故郷の姿に想いを巡らせたのでしょう。季節は春から初夏への転換期です。

| 16:28 | 投稿者 : ushiku |
萌え始めた春の森

 

このところ初夏のような陽気が続きましたが、今日は冬型の気圧配置になり、寒の戻りになってしまいました。この時期、生まれたものの弱々しさと、生きようとする意志の不敵なひらめきが同居する季節と言われています。なのに春になっても慎重な草花たちがいます。それぞれ「頃合」というものがあるのでしょう。それでものんびりしずぎている「生」あるものに対しては、日の光や地のゆるみが「もういいよ」と再生ボタンを押すように合図を送ります。ようやく草花たちは気づき始め、枯葉の衣を破って萌え始めます。この無言の開花合図を「母らしき愛」と言うそうです。牛久自然観察の森のコジュケイの林も暖かさを増し、冬芽が膨らみ冬枯れの褐色の森から春の森に萌え始めています。(撮影は3月20日)

| 17:18 | 投稿者 : ushiku |
自然観察の森の梅園が満開

 

牛久自然観察の森梅園の梅が満開です。ここの梅は3月初旬から見頃と思っていましたが、現在もすべての木で満開となっていました。梅のほのかな香りが漂っています。この梅園の中にはトサミズキも数本ありますが、こちらはビタミンカラーで珍しい形をした花が満開となっています。

| 16:19 | 投稿者 : ushiku |
ウグイスの声が聞かれる時期になった

 

お天気は長続きしませんね。ここ数日「木の芽起こし」の雨が続いています。草木には重要な雨ですから我慢しなければなりません。この時期は、そろそろ「春を呼ぶ声」が聞かれるころです。西日本から東日本の各地で、「ウグイス」の声が聞かれる時期になりました。ウグイスは気象台の生物季節観測種目で、毎年、初鳴日(しょめいび)を観測、記録して、季節の遅速の目安にしています。牛久では昨日、初鳴きを確認しました。二十四節気(雨水)から(啓蟄)を前に、ウグイスが春を呼んでくれたようです。雨でも春らしさが感じられる時期になりました。花札の梅に鶯で、梅の花と鳥の絵がありますが、この鳥はウグイスではなく、「メジロ」です。ウグイスはとても地味な鳥で、絵にならないため昔の人はメジロにすり替えた二でしょうか、(写真は3月2日の観察の森梅園です)

 

 

| 19:16 | 投稿者 : ushiku |
森は木芽時

 

冬枯れで、色彩を失った森に少しづつ明るさが目立つようになってきました。この時期は木や草が芽を出し始める頃で「木芽時」(きのめどき)と言います。その芽が目立つほど大きくなった状態を「芽だつ」。梢全体から息吹を感じ取れる様子が「芽吹く」。そして堂々と「萌える」となります。昔の人は自然界のかすかな移り変わりを言葉にして残してくれました。この先、お天気はめまぐるしく変わりそうですが、これが春から初夏への儀式ではないでしょうか。

| 17:36 | 投稿者 : ushiku |
今年五度目の春の淡雪

 

今日は日本列島を複数の低気圧が通過したため、関東地方には寒気が入り込み、今年五度目の積雪になりました。春の淡雪は昼前には上がりました。淡雪の名のごとく溶けるのも早く、昼過ぎにはほとんど消えてしまいました。ここは午前9時の牛久自然観察の森の観察舎です。この天気ですから訪れる人も無く、静寂に包まれていました。聞こえてくるのは冬鳥の囀りだけ。ヒヨドリ、シジュウカラ、そして、カラスの鳴き声が静寂を打ち破るように聞こえてきました。

今月の9日(土)は二十四節気(立春)の七十二候(次候)「黄鶯睍察廚任后ウグイスが山里で鳴き始める頃と言われます。鳴き始めの頃の鳥たちの声は、何処となく初々しく感じられて微笑ましいものです。またこの時期の農家では、そろそろ農作業の準備が始められます。このように暦の上ではすっかり春ですが、この寒さではウグイスも躊躇しているのかもしれません。

| 15:37 | 投稿者 : ushiku |
立春の日にフェーン現象

 

今日は二十四節気「立春」です。暦の上での春でしたが、まさにその通りの気温になりました。今日は北海道付近を低気圧が西から東に移動したためフェーン現象によって東日本では気温が急上昇、牛久では19度まで上がりました。しかし、これから先、西高東低の冬型気圧配置になり、気温は急降下するでしょう。厳しい寒さが続いた「大寒」が終わり暦の上では春です。春と言ってもまだまだ寒さは続きますが、この日が来ると、新聞やテレビでは一斉に春を報じます。そして、禅宗の寺院では、入口に「立春大吉」と書いたお札が貼られます。この四文字をよくみると、左右がシンメトリーになっています。表からも裏からも立春大吉と読めるため、大変めでたいものとされています。今日から、八十八夜、二百十日などが起算されます。牛久自然観察の森の雑木林では、まだ「冬眠る」状態ですが、春の兆しが見えてきました。梅林の梅がぽつぽつ咲き出しました。そして枯葉の下では「フキノトウ」が次々に発芽を始めました。本格的な春はすぐそこまで来ています。

| 16:46 | 投稿者 : ushiku |
東風ふかば、匂いおこせよ、梅の花・・・

 

牛久自然観察の森の梅林の梅が咲き出しました。咲き出したと言っても、まだ数輪規模ですが。この時期は、暦の上(二十四節気)では、「大寒」で一年で一番寒い時期とされています。しかし、あと10日で「立春」です。梅が咲き出すのも当然ですが、梅が本格的に咲き出す立春を迎えると、続いて黄色い花が次々に咲き出します。何故黄色い花なのかと言いますと、花の無い時期に昆虫が冬眠から覚めて密を求めて飛び回ります。その際、黄色が目立つんです。植物たちも花粉を運んでもらわなくてなりませんので、虫の好きな色で思いっきりアピールして虫を寄せ付けます。黄色い早春の花と言いますと、まず、ソシンロウバイ、ロウバイ、マンサク、トサミズキ、ヒュウガミズキ、そしてアブラナ科の菜の花が一斉に咲き出します。

春になると、菅原道真が詠んだ「東風ふかば、匂いおこせよ、梅の花 主なしとて 春なわすれそ」を思い出します。

| 20:42 | 投稿者 : ushiku |
山眠る・暖かな森

 

冬の季語で「山眠る」というのがあります。葉の色を落とし、葉を散らせて、豊かだった表情も失い、身じろぎもせずに眠っているように見える山。雪に覆われた白い山ではなく、冬の日にも反応せず、枯れ木の中で眠りかけている印象を指すようです。また、「遠雪峰」(とおゆきね)の風景ではなく、身近で親しみのある、穏やかな低山(里山)のことを指す言葉です。雑木林の環境が維持されている牛久自然観察の森周辺では、まさに山眠る状態です。雑木林の盟主と言われる「クヌギ」「コナラ」「ケヤキ」などほとんど葉を落とし、一年で一番明るい森になっています。太陽の光は雑木林の林床まで届き、つもり積もった枯葉は暖かな布団のようです。枯葉の下には小さな生き物たちが暖かな布団にくるまって春を待ち焦がれています。

| 17:17 | 投稿者 : ushiku |
ここで「詫びさび」を感じましょう

 

この日本家屋はどこのお屋敷でしょうか? よく見ると、右奥に米俵がありますね。「わび・さび」と言われる日本の佇まいを感じさせます。現代では、『わび・さび』は一つの言葉のように使われていますが、本来は「わび」と「さび」は別の言葉でした。これらは、どちらも日本特有の美意識といえます。この二つの言葉の意味は、似ている面がありますが、きっちりと「この場合はこちらの言葉」というような区別ができないことも多いのです。したがって、時代によって意味合いが少しずつ変わってきた歴史があります。そのために、現代では「わびさび」が一語で使われるようになりました。

「詫」とは、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形でです。

「さび」とは、老いて枯れたものと、豊かで華麗なものといいます。相反する要素が一つの世界のなかで互いに引き合い、作用しあってその世界を活性化する。そのように活性化されて、動いてやまない心の働きから生ずる、二重構造体の美とされます。本来は良い概念ではなかったのですが、『徒然草』などには古くなった冊子を味わい深いと見る記述があり、この頃には古びた様子に美を見出す意識が生まれていたことが確認されます。写真は、牛久自然観察の森観察舎です。風のない穏やかな日に、観察舎の縁側に座って、物思いにもふけるのもいいのではないでしょうか。

| 18:07 | 投稿者 : ushiku |