今年五度目の春の淡雪

 

今日は日本列島を複数の低気圧が通過したため、関東地方には寒気が入り込み、今年五度目の積雪になりました。春の淡雪は昼前には上がりました。淡雪の名のごとく溶けるのも早く、昼過ぎにはほとんど消えてしまいました。ここは午前9時の牛久自然観察の森の観察舎です。この天気ですから訪れる人も無く、静寂に包まれていました。聞こえてくるのは冬鳥の囀りだけ。ヒヨドリ、シジュウカラ、そして、カラスの鳴き声が静寂を打ち破るように聞こえてきました。

今月の9日(土)は二十四節気(立春)の七十二候(次候)「黄鶯睍察廚任后ウグイスが山里で鳴き始める頃と言われます。鳴き始めの頃の鳥たちの声は、何処となく初々しく感じられて微笑ましいものです。またこの時期の農家では、そろそろ農作業の準備が始められます。このように暦の上ではすっかり春ですが、この寒さではウグイスも躊躇しているのかもしれません。

| 15:37 | 投稿者 : ushiku |
立春の日にフェーン現象

 

今日は二十四節気「立春」です。暦の上での春でしたが、まさにその通りの気温になりました。今日は北海道付近を低気圧が西から東に移動したためフェーン現象によって東日本では気温が急上昇、牛久では19度まで上がりました。しかし、これから先、西高東低の冬型気圧配置になり、気温は急降下するでしょう。厳しい寒さが続いた「大寒」が終わり暦の上では春です。春と言ってもまだまだ寒さは続きますが、この日が来ると、新聞やテレビでは一斉に春を報じます。そして、禅宗の寺院では、入口に「立春大吉」と書いたお札が貼られます。この四文字をよくみると、左右がシンメトリーになっています。表からも裏からも立春大吉と読めるため、大変めでたいものとされています。今日から、八十八夜、二百十日などが起算されます。牛久自然観察の森の雑木林では、まだ「冬眠る」状態ですが、春の兆しが見えてきました。梅林の梅がぽつぽつ咲き出しました。そして枯葉の下では「フキノトウ」が次々に発芽を始めました。本格的な春はすぐそこまで来ています。

| 16:46 | 投稿者 : ushiku |
東風ふかば、匂いおこせよ、梅の花・・・

 

牛久自然観察の森の梅林の梅が咲き出しました。咲き出したと言っても、まだ数輪規模ですが。この時期は、暦の上(二十四節気)では、「大寒」で一年で一番寒い時期とされています。しかし、あと10日で「立春」です。梅が咲き出すのも当然ですが、梅が本格的に咲き出す立春を迎えると、続いて黄色い花が次々に咲き出します。何故黄色い花なのかと言いますと、花の無い時期に昆虫が冬眠から覚めて密を求めて飛び回ります。その際、黄色が目立つんです。植物たちも花粉を運んでもらわなくてなりませんので、虫の好きな色で思いっきりアピールして虫を寄せ付けます。黄色い早春の花と言いますと、まず、ソシンロウバイ、ロウバイ、マンサク、トサミズキ、ヒュウガミズキ、そしてアブラナ科の菜の花が一斉に咲き出します。

春になると、菅原道真が詠んだ「東風ふかば、匂いおこせよ、梅の花 主なしとて 春なわすれそ」を思い出します。

| 20:42 | 投稿者 : ushiku |
山眠る・暖かな森

 

冬の季語で「山眠る」というのがあります。葉の色を落とし、葉を散らせて、豊かだった表情も失い、身じろぎもせずに眠っているように見える山。雪に覆われた白い山ではなく、冬の日にも反応せず、枯れ木の中で眠りかけている印象を指すようです。また、「遠雪峰」(とおゆきね)の風景ではなく、身近で親しみのある、穏やかな低山(里山)のことを指す言葉です。雑木林の環境が維持されている牛久自然観察の森周辺では、まさに山眠る状態です。雑木林の盟主と言われる「クヌギ」「コナラ」「ケヤキ」などほとんど葉を落とし、一年で一番明るい森になっています。太陽の光は雑木林の林床まで届き、つもり積もった枯葉は暖かな布団のようです。枯葉の下には小さな生き物たちが暖かな布団にくるまって春を待ち焦がれています。

| 17:17 | 投稿者 : ushiku |
ここで「詫びさび」を感じましょう

 

この日本家屋はどこのお屋敷でしょうか? よく見ると、右奥に米俵がありますね。「わび・さび」と言われる日本の佇まいを感じさせます。現代では、『わび・さび』は一つの言葉のように使われていますが、本来は「わび」と「さび」は別の言葉でした。これらは、どちらも日本特有の美意識といえます。この二つの言葉の意味は、似ている面がありますが、きっちりと「この場合はこちらの言葉」というような区別ができないことも多いのです。したがって、時代によって意味合いが少しずつ変わってきた歴史があります。そのために、現代では「わびさび」が一語で使われるようになりました。

「詫」とは、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形でです。

「さび」とは、老いて枯れたものと、豊かで華麗なものといいます。相反する要素が一つの世界のなかで互いに引き合い、作用しあってその世界を活性化する。そのように活性化されて、動いてやまない心の働きから生ずる、二重構造体の美とされます。本来は良い概念ではなかったのですが、『徒然草』などには古くなった冊子を味わい深いと見る記述があり、この頃には古びた様子に美を見出す意識が生まれていたことが確認されます。写真は、牛久自然観察の森観察舎です。風のない穏やかな日に、観察舎の縁側に座って、物思いにもふけるのもいいのではないでしょうか。

| 18:07 | 投稿者 : ushiku |
枝になりきって越冬するトンボ

 

どんなに寒くてもこの姿で越冬するトンボ「ホソミオツネントンボ」(細身越年蜻蛉)が、観察の森の雑木林で見られます。自分の体と同じほどの細い枝に、枝のふりをしているのでしょうか、じっと寒さに耐えています。トンボはヤゴで越冬しますが、このトンボは細い身でありながら、どんなに寒くても越冬することから「細身越年蜻蛉」と命名されたようです。見つけたら静かに見守ってください。絶対に触らないでください。

| 19:02 | 投稿者 : ushiku |
暖冬で冬眠が遅れた女王バチ

 

牛久自然観察の森の木々は葉をほとんど落とし、明るい林に変身しました。この時期はクヌギやコナラの樹液はほとんど止まっていますが、一本だけ樹液らしき痕跡がありました。半ば乾燥した樹液でしたが、そこにオオスズメバチが食らいついていました。数ある木の中からよく見つけたものです。この蜂は来年女王になるスズメバチで、フラフラになりながら樹液をなめていました。オオスズメバチは秋に生まれた特別の雌蜂だけが越冬できます。そして、来春冬眠から覚めて女王としての活動を始めます。この時期は森の奥の朽ち木に穴を開け、その中で冬眠していたはずです。しかし、暖冬がもたらした想定外の事態で冬眠が遅れたようです。乾いた樹液を舐め、冬眠するための腹ごしらえをしていたようです。厳しい寒波に何とか堪え抜き、一刻も早く冬眠の場所を見つけてほしいものです。

*樹液はボクトウガという蛾の幼虫が樹皮下に入り込み師管と呼ばれる管を傷つけたことによる樹液がにじみ出るのです。蛾はこの時期は死に絶えています。 *樹液の成分は、コナラの場合、果糖、酢酸、ブドウ糖などです。

| 09:32 | 投稿者 : ushiku |
牛久自然観察の森は枯れ葉の絨毯

 

コナラやクヌギは葉を落として雑木林は一年で一番明るい時期になりました。縄文時代より人間と深く関わってきた雑木林は、コナラやクヌギを盟主として二次自然を作りあげてきました。原生林を一次自然とすると、こちらは人間が作り出した自然で、二次自然と呼びます。雑木林は薪炭林としての役割と、落ち葉を使った有機肥料など、人間生活の中では切っても切れない関係にありました。雑木林は20年〜25年周期で皆伐し、切り株からの「蘖」(ひこばえ)で萌芽更新させ、常に若い林を維持してきました。動植物はこの環境に順応し、長い年月を生き延びてきました。しかし、ヤマ(雑木林)を持つ人々の高齢化と役割を終えたヤマの荒廃は全国的規模で進んでいます。牛久自然観察の森の周囲には管理された雑木林が四季を通じて美しい景観を見せてくれます。現在は枯れ葉の絨毯が目を引きます。

| 17:10 | 投稿者 : ushiku |
小春日和の続く今年の冬

 

雑木林がまもなく冬枯れを迎えようとしています。雑木林とは、ブナ科を中心とした平地林で、落葉広葉樹のコナラやクヌギを中心に、ケヤキ、エゴノキ、エノキなどで、大半が落葉します。ただし、コナラはすべてが落葉せず、来春に新葉が展開する時期に落葉を始めます。それでもこの時期は明るい森に変身、落ち葉によってふわふわの絨毯のようです。小さな生き物は冬越しの準備に入っていますが、準備の遅れた虫たちは、森の中をうろうろとするばかり。大きなお腹をしたオオカマキリ、トノサマバッタ、モンシロチョウやヤマトシジミはまだ見られます。今年は暖冬のようですので、気温が下がって、冬越しのサインを感じられないのかも知れません。

| 17:44 | 投稿者 : ushiku |
晩秋の森

 

今年は相次ぐ大きな台風に蹂躙された森。先日の二つの台風によって多くの樹木が倒れました。あれから、半月、落ち着いてきた気象。ただ、塩害の被害はまだまだ続いています。そして、日照不足が記録的になるかもしれません。連日の曇り空、時たまにわか雨が降る「時雨」状態はまだしばらく続きそうです。写真は牛久自然観察の森の緑の保全区です。枯れ葉のふかふかの絨毯を踏みしめて歩くと季節の移ろいを感じます。聞こえてくるのは冬鳥のさえずり。そして、梢を通り過ぎる風の音が秋の深まりを感じました。

| 17:23 | 投稿者 : ushiku |