終日のたりのたり哉

 

この時期は「立夏」、すなわち「初夏」です。連日、真夏日とか夏日の報道がされていますので、連日真夏の様相を呈しています。この時期に「ひねもすのたりのたりかな」とは季節外れの言葉かと思いますが、写真の情景がまさに「春の海 終日のたりのたり哉」と感じられました。「ひねもす」とは「終日」との意味で、一日中との意味になります。「のたり、のたり」とは、のんびり、だらだらする、といったイメージで、春の海の穏やかな波が一日中寄せては返している、といったイメージになります。この句の作者は江戸時代の俳人「与謝蕪村」。この句は、丹後与謝の海を詠んだともいわれています。しかしこの句を目にすると、まどろむような海の情景がたちまち現れる。光溢れた印象派の風景画を見るように、平明で親しみやすい。そんな叙景性が蕪村の句の特徴であり、魅力でもあります。主観的な芭蕉の句に対して、蕪村はあくまで写実的で客観的です。 

| 20:05 | 投稿者 : ushiku |