雉の母衣討ち

 

平成最後の4月、そして平成最後の華やかな春も間も無く終わろうとしています。「春の行方」「春の別れ」「春の果」いずれも春の季語ですが、どれにも、過ぎてゆく季節への哀愁の心が籠もっています。「行く春や鳥啼き魚の目は泪」は、晩春を詠んだ松尾芭蕉の代表句です。季節の移ろいは四季を通じて経験することですが、今年の春は特別感慨深い気がします。そして、野鳥の繁殖期に入りました。ウグイスが鳴き、ヒバリが囀り、キジが母衣討ちをしています。キジは繁殖期に、縄張りを誇示するため、小高いところに上って5分ほど間隔を開けて「ケン・ケーン」と雄叫びを上ながら大きく羽ばたきをします。この時の格好が戦国時代の戦に出た騎馬武者の母衣(ほろ)という武具の格好によく似ていることから、「雉の母衣討ち」と呼ばれています。侍の背中に背負った母衣とは、鎧の背に付けて風を受けて膨らみ、矢や石を防いだということです。材質は布製の袋のようなものです。

| 18:00 | 投稿者 : ushiku |