民間信仰が風前の灯火

 

これは、「ザガマタ」と呼ばれる「犬卒塔婆」です。犬卒塔婆とは、その地区で行われている女人講によって立てられました。女人講とは、神仏を祀り参詣する同行者の集まりを講(こう)といい、伊勢講、山の神講、不動講など、さまざまな講があり、女性どうしが集まる信仰の場であるとともに、日常生活の情報を交換する場でもありました。利根川下流域では多くの講の中に「犬供養」があり、講員である若い嫁が、毎年2月から4月ころにかけて定期的に行なう安産祈願です。犬の供養とは、犬は「お産が軽い」と考えられており、それにあやかりたいという思いが込められています。また、雌犬が死んだ際に臨時に行うこともありました。この習俗は利根川下流域に集中していて、「犬卒塔婆」または「ザガマタ」と呼ばれるY字型の木に供養の文言を書き、道の辻に立てる風習が見られます。しかし、高齢化とお産する若い人の減少で存続が危ぶまれています。市内でも多くの場所で見られましたが、現在は激減しています。

*ザガマタ:ウルシの仲間の「ヌルデ」の枝を切って樹皮を剥がし、Y字型の枝に供養の文字を書きます。

 

| 09:53 | 投稿者 : ushiku |