ここで「詫びさび」を感じましょう

 

この日本家屋はどこのお屋敷でしょうか? よく見ると、右奥に米俵がありますね。「わび・さび」と言われる日本の佇まいを感じさせます。現代では、『わび・さび』は一つの言葉のように使われていますが、本来は「わび」と「さび」は別の言葉でした。これらは、どちらも日本特有の美意識といえます。この二つの言葉の意味は、似ている面がありますが、きっちりと「この場合はこちらの言葉」というような区別ができないことも多いのです。したがって、時代によって意味合いが少しずつ変わってきた歴史があります。そのために、現代では「わびさび」が一語で使われるようになりました。

「詫」とは、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形でです。

「さび」とは、老いて枯れたものと、豊かで華麗なものといいます。相反する要素が一つの世界のなかで互いに引き合い、作用しあってその世界を活性化する。そのように活性化されて、動いてやまない心の働きから生ずる、二重構造体の美とされます。本来は良い概念ではなかったのですが、『徒然草』などには古くなった冊子を味わい深いと見る記述があり、この頃には古びた様子に美を見出す意識が生まれていたことが確認されます。写真は、牛久自然観察の森観察舎です。風のない穏やかな日に、観察舎の縁側に座って、物思いにもふけるのもいいのではないでしょうか。

| 18:07 | 投稿者 : ushiku |