「冬隣」の森

 

冬が深まりつつある中で、うつろいゆく季節にけじめをつけるように、冬支度の時を迎えています。雑木林は落ち葉で埋め尽くされ静寂そのものです。「冬隣」という今の時期、命ある自然への惜別の念が強くなり、自然万物を慈しむ気持ちが高まっていきます。生き物も植物も冬への準備を始めました。生き物は冬眠、植物界での冬眠は“休眠”と呼ばれ、植物の成長が停止する期間を言います。

| 17:13 | 投稿者 : ushiku |
小春日和に森を歩いてみませんか

 

次々にやってくる移動性高気圧と低気圧のせめぎ合いが続いています。冷たい雨と「小春日和」が交互にやってくる季節になりました。昨日は小春日和、今日は一日曇り、明日は再び下り坂です。このめまぐるしく変わるお天気の合間の穏やかな晴れを「小春日和」と言います。この「小」とは、「春よりも暖かい期間が短い」ことからです。外国でも同じようにこの時期特有の気候変動がありました。私が以前、海外赴任していたとき、寒さの中で暖かさの戻り、ドイツでは「老婦人の夏」、アメリカでは「インディアンサマー」といい、この時期だけの乾燥した暖かい風が吹き荒れます。そして、この風が元で、西海岸では度々大火が起きました。そして、日本でも季節の大きな変わり目。牛久自然観察の森をそぞろ歩きしてみませんか。聞こえてくるのは枯葉の散る音と風の音だけです。小さな虫たちは成虫の姿で越冬体制に入るもの、卵や蛹に姿を変えて種を引き継ぐもの等々、来春まで永い眠りにつきました。時々、羽に朝露をまぶしたアキアカネやヤマトシジミが寒さに耐える姿も見られます。本当に厳しい冬はすぐそこまで来ています。

| 17:46 | 投稿者 : ushiku |
初冬の雑木林

 

昨日の立冬を迎えたとたん、冬の入り口に立ったようですね。気温が下がると、植物の生育上の重要な目安となるのが、平均気温5℃ラインと言われています。5℃以下になると植物は休眠状態になってしまいます。5℃を割ると「冬枯れ」の度合いが一気に増していきます。真っ先に「冬枯れ」が訪れるのは、やはり北海道。11月上・中旬には秋気がなくなってしまいます。その後、冬枯れは徐々に南下を続け、四国・九州南部では1月下旬となります。でも南国沖縄地方では、冬枯れは無く、すぐに春に入れ替わってしまうでしょう。ここは牛久自然観察の森です。整備された典型的な雑木林(平地林)はコナラやクヌギの林ですが、葉はかなり落ちて、間もなく一年で一番明るい時期に入ります。林床に落ちた枯葉の絨毯は小さな虫たちの厳しい冬を越すための大事な寝床になります。

| 18:25 | 投稿者 : ushiku |
地球温暖化による異変?

 

台風一過、気温は夏日になりましたが、湿度が低く、爽やかな一日になりました。どんなに暑くても真夏の暑さとは違います。もう10月ですから。静かに秋を享受したいですね。穏やかな秋晴れの日を「秀麗」(しゅうれい)と言います。秋の澄んだ大気や、太陽の眩しさを享受し、春のような「麗か」(うららか)を喜びながらも、秋の次に来る冬を意識しています。秋を賛美するたくさんの言葉の中でも、穏やかな太陽と心の安らぎを感じさせる季語の一つが「秀麗」で、情緒が深く細やかな言葉だと思います。この時期、紅葉が時期が取りざたされていますが、温暖化によるものでしょうか、紅葉は大きく遅れるという予報が出ています。今年の彼岸花も半月遅れで、やっと峠を越しました。地球温暖化は世界各地で異常が起きています。

今朝、衝撃的なニュースが報じられました。南極のアメリー棚氷から、3150億トンに及ぶ巨大な氷山が分離したということです。欧州の衛星画像によれば、氷山が分離したのは9月24日から25日にかけてのことだとAFPは報じています。D28と名付けられたこの巨大な氷山の表面積は、スクリップス海洋研究所いわく1,636平方キロメートル。氷山の厚みは約210メートル、重量は約3150億トンです。日本的に比較すると、京都市の2倍くらいの面、富士山の1/10くらいの重量になります。この氷山が分離した南極のアメリー棚氷は、南極で3つ目の大きさを誇る浮氷です。この棚氷でこの規模の分離が見られたのは、1960年代に9,000平方キロメートルに及ぶ巨大氷山が分離して以来だとBBCは報じています。D28は現在、海流と風に押されてゆっくりと西方へと流れています。氷山が完全に分離して海に溶けるまでは数年かかるかもしれません。D28はこの海域を通る船への脅威となりうるため、衛星が注意深く監視しています。(出典:AFP、BBCニュース他)

| 19:25 | 投稿者 : ushiku |
忘れられた里道

 

人がつくる道路のルーツをたどれば、それが「けもの道」だといわれています。つまり、自然発生的に出来た、ヒトが踏み固めることでできるルートがヒトの作った「けもの道」であり、それに手を加えられて歩きやすく幅広く作られて路(みち)となり、さらに改良されて道路となりました。 太古の人間は、動物が作った獣道をたどれば、歩きやすくて獲物となる動物を見つけやすいと考え、獣道をたどって歩くようになり、やがて人間が歩くための道路が作られていったとも考えられています。これとは反対に、かつては整備された交通の往来が活発な道路(街道)が、別ルートの開拓や集落の廃村化によって人がほとんど通らなくなり、結果的に獣道化する古道や里道も存在しています。人間が歩くためだけに使う獣道は、なだらかで滑らかな場合もありますが、傾斜地では階段を区切る場合もあります。なお、人間が通ることでできた獣道は、他の動物にとっても道となり得ます。

| 17:10 | 投稿者 : ushiku |
ツクツクボウシとヒグラシの競演

 

秋霖前線は相変わらず活発な動きをしています。刈り入れ間近に大雨とはありがたくない天気です。9月に入り去りゆく夏を静かに見送りたいと思っていましたが、まだまだそんな時期ではなさそうです。セミのアンカー「法師蝉」((ツクツクボウシ)が一段と賑やかになってきました。「ジー」と始まって「ツクツクボーシッ」をしばらく繰り返して「ウイッヨース」を数回、終わりは「ジー-----」の鳴き声が個性的な蝉。「筑紫恋し」と聞こえることから、遠方で客死した筑紫(九州)の人が、「法師蝉」になって故郷に帰ったという伝説があります。このツクツクボウシとヒグラシの競演が賑やかです。

| 18:07 | 投稿者 : ushiku |
フィトンチッドを浴びてストレスを解消しませんか

 

梅雨明け間近な牛久自然観察の森です。新録の季節から、あっという間に深緑の森に変身しました。季節は「晩夏」です。二十四節気の「小暑」の七十二候(次候)「蓮始開」(はすはじめてひらく)という季節になりましたが、本当の夏はこれからです。これからの森は、森林浴がすがすがしく感じる季節に入ります。森林浴とは、フィトンチッドの効果によるものであると言われています。フィトンチッドとはもともとロシア語からきており、フィトンとは「植物」、チッドとは「他の生物を殺す能力を有する」を意味しており、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」と言うような意味になります。フィトンチッドとは植物から発散されるテルペン類等の揮発性物質であり、植物はその生命を維持するため、また自らの成長を促すために、フィトンチッドを幹や葉から大気中に放出しています。これを「森林気相現象」と言います。この揮発している状態のテルペン類等を浴びることを森林浴といい、最近ではずいぶんと私たちの中に定着してきています。今日、地球上の全植物から放出されるフィトンチッドの量はおよそ一億五千万トンにおよび、それは全世界の工場排煙や自動車排気ガスなどの6倍にも達すると言われています。こんな清々しい森においでください。

| 16:58 | 投稿者 : ushiku |
まもなくニイニイゼミが鳴き出す森

 

今日は梅雨の中休み。清々しい青空が広がりました。昨日まで5日連続で夏日になりませんでした。これが26年ぶりの記録とのこと。何でも記録になってしまうんですね。先日の二十四節気「小暑」が過ぎると、暦の上では梅雨明けになります。ですから、この時期は梅雨明けのしきたりがたくさんあります。まず「暑中見舞い申しあげます」の時期になります。今日も梅雨の中休み、しかも青空が広がり、爽やかな青空が広がり、気温も夏日まで上がらず、快適な一日になりました。牛久自然観察の森のコジュケイの林では、しっとりと落ち着いた雰囲気を醸し出していました。森の中は小さな昆虫が元気に活動を始め、クヌギには僅かな樹液を求めて、オオスズメバチ、モンスズメバチなどのスズメバチの仲間。アブの仲間。アリの仲間、カナブンやカブトムシなど甲虫の仲間がわずかしか出ないクヌギの樹液に集まっていました。まもなくニイニイゼミの初鳴きが聞こえてきそうです。

| 20:29 | 投稿者 : ushiku |
梅雨時の静かな森

 

沖縄の南にあった、熱帯性低気圧が、明日午後には台風3号になり九州に上陸、列島を縦断するかもしれません。熱帯性低気圧に押し上げられて梅雨前線によって、梅雨の遅れていた九州北部、中国、四国、近畿が梅雨入りしました。今年の梅雨は雨が少なかったのですが、梅雨の後半はまとまった雨になるかもしれません。今日は朝から五月晴れ(梅雨時の晴れ間を五月晴れという)の一日でした。写真は早朝の牛久自然観察の森です。空は晴れていましたが、うっすらと靄がかかり、しっとりとした森の中から野鳥のさえずれが賑やかに聞こえてきました。その後気温は急上昇、からっとした夏日となりました。

| 17:04 | 投稿者 : ushiku |
樹液の無い時期をどうやって乗り越える

 

梅雨の中休みの杉木立。林床にはドクダミのお花畑です。今年は雨が少なく、草木にとっては辛い時期を乗り越え、森は恵みの雨でしっとりと潤っていました。草木の生長とともに、小さな生き物たちが次々に登場しています。スズメバチの女王バチは冬眠から覚めて始まった孤軍奮闘の巣作りも次の段階に入って入っています。羽化した働き蜂が大家族が棲める大型の巣作りを別の場所で始めています。蝶の仲間も次々に登場。グロテスクな幼虫も目に付くようになってきました。ただ、この時期は虫たちの大好きな樹液がありません。昨年樹液を出したコナラやクヌギの乾いた樹液に群がっています。餌が極めて少ないようです。樹液を出す仕掛け人は「ボクトウガ」という蛾の幼虫で、幼虫が樹皮の中に入り込み、師管という樹木の大切な器官を傷付けることによって樹液が流れ出すのですが、ボクトウガの幼虫がまだ登場していないのかもしれません。もう一つの蜜源、ヤブガラシも堅いつぼみです。

| 16:29 | 投稿者 : ushiku |